ブラジル:最新の世帯調査が示す労働市場の現状とは?

ブラジル地理統計院(IBGE)が発表した全国家庭サンプル調査(PNAD)には、ブラジルの労働市場に関する概要が掲載されています。PNADは3,500の市町村からサンプルとして選ばれた約20万世帯に対して実施されるもので、労働市場の状況を示す調査は他にもありますが、PNADは対象範囲が広いため、より正確な結果が反映されるのが特長です。例えば、労働市場に関する調査の一つである月間雇用調査(PME)は、国内に20ある大都市圏の内、6大都市圏のみが対象となっています。 2014年の第四四半期における失業率は国平均で6.5%となっており、第三四半期の6.8%から改善されました。しかし、時期的な要因のため失業率は第四四半期に低下する傾向があり、この結果は特筆すべきものではありません。注目する点は、前年同時期の失業率が6.2%だったのに対し、2014年の第四四半期はその数字が悪化していることです。失業率は特に北東地区で高く(8.3%)、女性が9.8%と男性の7.2%を大きく上回っており、若い世代についても18歳から39歳の失業者が全体の70%を占めています。PMEによると、2014年の第四四半期の平均失業率は4.6%で、第三四半期の4.9%、前年同時期の4.7%から低下しました。また、ブラジルの就業率に関しても懸念すべき点があります。2014年の第四四半期における生産年齢の人口は6,380万人で、2012年の第一四半期の 6,070万人から増加しています。この結果から、ブラジルの就業率は2012年の第一四半期の61.2%から2014年の第四四半期には60.9%へと 低下していることが分かります。 就業率の低下はそれほど大きくありませんが、2012年中頃から続く就業率の低下は気になる傾向です。就業機会の不足や高い失業率のため、労働への参加を諦める、もしくは参加をしない若い世代の存在が就業率に大きな影響を与えているという見方があります。この傾向は、特に悪化する若い世代の失業率に対し、十分な仕事を作り出すことができないブラジル経済の構造に疑問を投げかけています。しかし、楽観的な意見としては、若い世代が教育レベルの向上のために就職を先送りにしているという現実もあり、より高い教育を受けた労働者の数は少しずつ増加しています。実際に、高等教育を受けた労働者の数は、2013年の第四四半期の1,720万人から2014年の第四四半期は1,860万人へと増えました。
2016/02/05 (金) - 06:56 ブラジル:最新の世帯調査が示す労働市場の現状とは?

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