インド:携帯機器を利用しての金融取引が増加

インドでは携帯電話を利用しての金融取引が大幅に増加しています。特に「モバイル・ウォレット(Mウォレット)」などプリペイドでの支払いが急激に増え、取引数は2013年度の3,270万件、2014年度の1億751万件から、2015年度には2億5,500万件に達しました。 携帯機器の取引が急増した背景には、消費者が最新かつ利便性の高い方法で金融取引を行うというトレンドの変化があります。Mウォレットと同様に、デビットカードやクレジットカードの利用も増加しており、2015年度の取引数はそれぞれ6億1,512万件(クレジットカード)、8億809万件(デビットカード)を記録しました。過去3年間は各月とも前年同月比で二桁の伸びを見せ、取引数はほぼ倍増しています。以前から利用されていたクレジットカードとデビットカードも取引数を伸ばしていますが、Mウォレットはさらに速いペースで増加しています。 Mウォレットの急成長は、インドの不便な銀行サービスが大きく影響しています。インドは銀行へのアクセスが悪く、銀行の普及率も依然として低いため、特に地方ではクレジットカードやデビットカードの所有率が増加しています。全人口のクレジットカード決済金額は3年前の1.45%からわずかに上昇して2015年度は1.67%でした。一方、Mウォレットには及びませんが、デビットカードの決済金額は3年前の22.81%から2015年度には43.68%に達しています。金融取引を行うために早く、そして安全なアクセスへの需要がMウォレットというニッチな市場を生み出し、銀行以外の手段を求める人々を支えています。 Mウォレットの取引が広まった理由の1つに携帯電話の高い普及率があり、銀行普及率の低さに対して、2014年12月の統計では携帯電話の所有率が全人口の75.43%となっています。携帯電話の契約者は2015年3月時点で9億6,989万人と、3年前の9億1,917万人から急増しており、携帯電話は金融取引の代替手段となりました。携帯端末での支払いが増えているため、銀行へのアクセスが悪い状況でも、携帯電話が金融サービスの向上に一役買っている形となっています。 Mウォレットがクレジットカートやデビットカードと市場のシェアを競っている状況は従来の銀行サービスに悪い影響を与えているとの意見もありますが、Mウォレットが対象とする取引市場はクレジットカードやデビットカードとわずかに異なっています。Mウォレットは価格が低く、頻度が高い取引(2015年度における1件あたりの取引価格は320.94インドルピー)で利用される傾向にあります。 低価格の取引は認証が不要であり、支払いも早く、簡単に済ませられることが大きな要因となっています。逆に、クレジットカードやデビットカードは金額が大きい取引に利用されています(2015年度における1件あたりの取引価格は、クレジットカードが3,087.44インドルピー、デビットカードが1,501.68インドルピー)。消費者や企業は(特に地方では)、小規模の取引でキャッシュを扱うコストをなくしたいと考えており、インドが長い間抱えていた銀行の普及や金融サービスへのアクセスに関する問題を、P2P通信など金融テクノロジーの進歩が解決してくれるでしょう。
2016/02/05 (金) - 07:44 インド:携帯機器を利用しての金融取引が増加

データを探る

提出する