インド:対内直接投資をどのように受け入れ、そして増加させるか?

2014年度のインドの対内直接投資(FDI)は、307億6,000万米ドルを記録し、前年度よりも14.13%の増加となりました。しかし、インドのFDIは2014年のGDPの1.48%を占めるにすぎず、近隣諸国と比較すると、シンガポールは24.6%、中国は2.92%、マレーシアは2.81%となっています。エクイティの直接投資はインドのFDIにとってもっともポピュラーなソースの一つであり(2014年のFDI流入総額の82.16%)、これらの投資を総合評価することで、インドのFDI流入額をどのように改善させるかを深く理解することができるでしょう。 長期にわたり、インド政府はさまざまなインセンティブを通じてFDIを促進してきました。インドの海外投資政策における重要な出来事の一つとして、「自動認可ルート」の導入によるFDIの手続きの合理化があげられます。これにより、海外投資家は、数多くの必要な承認手続きを省略することが可能となりました。この自動認可ルートは、海外投資家が外国投資促進委員会(FIPB)による事前承認なしに特定の産業部門にアクセスすることを許可するものです。 海外居住者は必要な産業許可ライセンスを取得すれば、規制が緩和されるため、インドへのFDI流入も容易になります。自動認可ルートがカバーする部門も拡大し、同ルートを経由しての投資は全エクイティFDIの60%以上を占めるまでになりました(2007年を除く)。自動認可ルート以外を見てみますと、エクイティFDIは、従来の株式取得(もしくは、転換社債など)や株式交換、もしくはFIPBを通じて行われています。後者(政府ルート)は海外投資もカバーしていますが、FIPBやその他機関の事前承認が必要となります。 しかし、世界経済の落ち込みにより、自動認可ルートを通じてのFDIは、2013年度は対前年比で22.78%のマイナス、2014年度は6.88%のマイナスと、2年連続で前年を下回っています。一方、エクイティFDIの総額は、海外からの株式取得が2014年度から2倍以上(対前年比で133%増)も増加し、流入額は8.36%の伸びを記録しました。2014年度に自動認可ルートの投資が落ち込む中でエクイティFDIの総額が増加した背景には、いくつかの要因があると思われます。 株式取得による海外投資の需要増加は、海外投資のルート変更の兆候を示している可能性があります。好意的な見方をすると、海外投資家は上限のない海外投資部門でチャンスをうかがっているため、海外直接投資の下落傾向は海外株式取得の一時的な急増によって相殺されているだけかもしれません。。 また、インドの海外エクイティ投資に関する統計で注目すべき点は、モーリシャス共和国からFDIの大多数を集めている事実です。モーリシャス共和国は他の海外投資国(二位以下はシンガポール、イギリス、日本、オランダの順)と比較してもその経済規模は小さいですが、海外流入額の30%を占めています(2014年度は48億6,000万米ドル)。その要因は、モーリシャス共和国とインド間の税制上の優遇措置にあります。 インドとモーリシャス共和国は二重課税の回避(特にキャピタルゲイン)に関する条約が結ばれており、海外投資によって生じた利得はモーリシャス共和国のみで課税され、そして税制も3%と低く抑えられています。そのため、モーリシャス共和国からの海外直接投資の大多数は、オラクル・グローバルやメリルリンチ、ボーダフォンなど、モーリシャス共和国以外に拠点を持つ企業が占めています。。 インドとモーリシャス共和国の長く、ユニークな関係(モーリシャス共和国の税制度も含め)のように、他国と同様の関係を築くことは、FDIの促進に適した方法ではないでしょう。 世界経済の落ち込みがインドへのFDI促進の足かせとなっており、最新のデータによると、2000年代の経済自由化による効果がピークを過ぎており、インドはFDIの流入額を改善させるため、特に構造改革やインフラ整備などを通じて新たな手段を見つけなければなりません。また、インフラ改善や経済成長のためにFDIを必要とし、FDIの促進にはインフラ整備や信頼できる成長の見込みが必要となる「キャッチ22」の状況(※注記:ジレンマに陥っている状況)から脱却しなければならないでしょう。。
2016/02/05 (金) - 07:07 インド:対内直接投資をどのように受け入れ、そして増加させるか?

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