インドネシア:負債の増加に慎重な家計

インドネシアでは、銀行ローンの増加率が2010年中頃から2014年初頭まで続いていたピーク時の対前年比20%超から、2015年5月には10.32%と鈍化しました。個人向けローンの増加率は2010年から2014年には約20%の伸びを見せており、今回の減速は企業向けローンと比べても顕著となっています。個人向けローンは前年同月の13.50%から2015年5月には10%を下回り(9.97%)、この傾向は個人向けローンの借り入れが厳しく、家計の低い負債比率に拍車を掛けています。 インドネシアの対GDP債務比率は2014年が9.94%で、2013年の9.84%とほぼ同水準でした。隣国のマレーシアは84.98%、タイは79.73%、シンガポールは60.61%となっており、インドネシアの数字を見ると、借り入れへの需要が大きく、容易な他国と比べ、インドネシアは借り入れが厳しく、銀行ローンに対する慎重な姿勢が浮かび上がります。近年の規制緩和や低金利の「借り入れしやすい」政策にもかかわらず、個人向けローンは低調のままとなっており、2015年5月には借り入れを増やして経済を活性化させるために、住宅や自動車ローンに対する借入金比率も緩和されました。 個人向けローンの落ち込みは、2014年、2015年と続いた経済成長の減速と関連しています。インドネシアのGDP成長率は2015年第1四半期で4.71%と、前四半期の5.01%、2014年第1四半期の5.14%から鈍化しました。インドネシアの状況は、2015年後半に予定されている連邦準備制度の政策金利引き上げなど世界の経済動向と異なり、負債を抱えることに対するインドネシアの慎重な姿勢が見受けられます。2015年2月にはインドネシア中央銀行が政策金利を7.50%に引き下げるなどの金融緩和政策が実施されたにもかかわらず、消費者ローンにおけるコマーシャルローンの割合は2015年5月時点で13.76%(2014年5月は13.26%)と高い水準のままであり、金融部門は借り入れに対して慎重な姿勢を崩していません。 ルピアの下落や、2015年のインフレターゲットである4%(±1%)を超え、2015年6月には対前年比で7.26%を記録した高いインフレ率により、さらなる金融緩和政策は制限されてしまう可能性があります。2015年6月から7月にかけて行われる「イド・アル=フィトル」やラマダンまでの期間は借り入れの需要が増加すると見られています。しかし、国内だけでなく、世界経済の低迷やルピアの下落により、消費やローンに対する「様子見」の傾向が続くかもしれません。消費者動向指数は前年同四半期の107.62ポイントから、2015年第1四半期には100.87ポイントへと大きく下落しました。同様に、耐久財の購入に関する副指数も2015年第1四半期は落ち込んでいます。
2016/02/05 (金) - 07:28 インドネシア:負債の増加に慎重な家計

データを探る

提出する